日々是飲酒

飲んだお酒についてのメモ。

槽口 搾りたて生原酒


槽口 搾りたて生原酒(2020酒蔵まつり限定)

 

一本義久保本店 | 北陸奥越前の酒蔵

 

福井県勝山市左義長祭りにあわせて毎年開催される「一本義久保本店」の酒蔵まつりに行ってきました。

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この酒蔵祭りでは有料試飲や酒蔵見学のほか、毎年この時にだけ出るお酒の販売もしており、それを目当てに2時間前から列が出来るほど。

その行列にはおとなのどももおねーさんも(大袈裟では無く)いらっしゃって、地元に愛されてるなぁとひしひし感じました。

 

そんなアウェーな状況で購入してきたこちら。

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まずは冷酒で。


最初に開栓直後の生酒らしい微炭酸の感じもあったが、それよりも驚くべきはその粘性と甘さ。
口当たりも味わいも蜜のように濃厚。そして甘い。
口の中で時間をかけて味わうと苦味も顔を出してくるものの、とにかく甘い。度数は21%だが、アルコールのきつさなど微塵も感じないほど甘い。

酒の甘さの表現として、メロンやリンゴやバナナや餅米を例えに使うことはあるが、これの甘さは砂糖の甘さに近いと思う。

後口は唇や舌先に濃い甘みは残るものの、度数の高さ故か喉が渇くようなドライさもあって単体で飲み続けるのも苦にならない。

 

 

燗付けして。

 

とりあえずぬる燗ぐらいから。

メロン様の立ち香が顔を出すが、それよりもアルコール臭が強く感じられるようになる。後味にもアルコールの辛さを感じるようになった。
味の方向性自体は変わらず、低い温度の時より粘性と甘さが更に増したように感じる。個人的にはちょっとクドくなり過ぎている様な印象を受けた。

自分としては珍しいことながら燗付けしないほうが好み。

 

 

結構癖が強いお酒なので料理に合わせるのは難しそうだなー、と思う。中華料理ぐらい強ければイケるかな……酢豚とか。

寒い日にコタツに入りながらちびちびやりたいような、そんな感じ。

 

 

 

こちらの一本義、県外だとあまり見かけることはありませんが、福井県内ではテレビCMなんかもやってて県民なら知らない人はいないぐらいの知名度らしいです。実際に福井で居酒屋入ると7割ぐらいの店には置いてあるような感じ(体感)でした。

仙介 純米山廃仕込み

仙介 純米山廃仕込み

泉酒造株式会社 http://www.izumisyuzou.co.jp/

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パ酒ポートを携えて訪れた泉酒造様で購入してきました。
「温めて飲むのが好きなんですけれど、お燗向きのお酒とかってありますか?」とお尋ねしたところお勧めしていただいたもの。


「純米山廃でお燗向き」と聞くと、重厚でクセのある、良く言えば昔ながらの酒、悪く言えば酒臭い酒を想像するが、そのイメージとはかなりかけ離れたお酒。

 

 

ぬる燗で。


特徴的なのはその上立ち香。

メロン様の香りを感じるが、精米歩合の低い、いわゆるフルーティな吟醸酒にみられる鮮烈さではなく、ふんわりと優しい香り。

フルーティ系(定義不明)を「新鮮で瑞々しい」果物の香りと表現するなら、こちらは「熟した」果物の香りといった感じ。


そして口当たりが物凄く柔らかい。白湯のような優しいあたりで、そこからじんわりと旨味が広がっていく。
味の主体は旨味だが、少し経つと奥から苦味酸味もしっかりと感じられる。

後口は舌の上にわずかに残る酸味が締めてくれるため、旨味は強いのにドライな印象を受けた。飲み飽きることがないうえに、単体でいくらでも飲めてしまう危険なやつ。


ぬる燗が美味しいが、熱燗にした後に燗冷まししてもイケる。アルコールが飛ぶためか、口当たりがさらに優しくなる。

 

香り高くありながらも芳醇。凄く美味しかったです。

上方日本酒ワールド2019【05/04(土)、05/05(日)】

今年も開催されました上方日本酒ワールド。日本酒のイベントとしては関西最大級といっても過言ではない有名イベント。多分。

2010年から毎年やってて今年で9年目なんだとか。私が初めて行ったのは2015年で、その頃は大阪天満宮でやっていた。年々来場者が増えて規模が大きくなってきたためか、何年か前から会場がなんばリバープレイスに変わって、ついに今年は2Days開催。もちろん両日参加してきました。一人で。

 

このイベントの特徴的なのは、各ブースが一品料理とそれに合うお酒を一種類ずつ出しているところ。

どこも酒に一家言ありそうな飲食店(居酒屋、割烹、etc...)がやっているだけあって、凝った料理を出しており、それに合わせる酒も料理に合う力強いものが多い。個人的に嬉しいのは、お燗を付けてくれるブースが圧倒的に多いこと。お酒をお願いすると、大抵のブースで「温度はどうしますか?」と訊いてくださり、「お燗がおすすめです!」と付け加えてくれるところも少なくなかった。ちなみにこの二日間の大阪は最高気温25℃超えの快晴で、お茶コーヒーの類なら間違いなくホットは選ばない状況。屋外イベントのためナマモノが出せないという縛りがあるのも要因だとは思うが、やっぱり料理に合うのは燗酒やな、などと一人したり顔をかましていた。なんだこいつ気持ち悪い。

ともかく、初めて飲む酒や今回のイベント限定酒なんてのもあったが、しっかりとしていて燗映えする酒が多く、まさにそういう酒が好みの私にとっては嬉しいイベントだった。

 

 

以下特に印象的だった酒の感想。炎天下で気持ちよくなりながらメモしたものなので信憑性は薄い。

 

【杜の蔵】独楽蔵 生酛純米(上燗ぐらい)
僅かに黄色みがかっている。立ち香は強くないがもち米のような優しい香り。
初めは舌先に酸味とわずかな苦味。その後すぐに口中に甘味が広がる。
口中では旨味を強く感じるが、飲み込んだあとに感じるのは酸味と控えめな甘味苦味。後口はけっこうドライ。

 

【玉櫻酒造】玉櫻 生酛純米にごり(ぬる燗)

香りは弱め。

最初は舌先にピリピリしたやや強めの酸味。その後に旨みがじんわり広がっていく。喉を通ったあと舌の上に甘味が強く残るのはにごり酒らしい。

一緒に焼き穴子を頂いたが、わさび醤油が非常によく合う。というかこの焼き穴子が凄く美味しかった。

 

【十旭日(じゅうじあさひ)】改良雄町 青二スペシャル(上燗)

今回のオリジナルブレンドらしい。 熟成酒のような黄味がかった見た目。 餅米のような柔らかいながらも強い香りが素晴らしい。

飲み口はまろやかだが、後から強烈な旨みがくる。後口にはわずかな酸味。

とにかく旨みの強い重量級のお酒。淡白な肴だと負けそう。

 

【御祖酒造】遊穂 山おろし純米 上方日本酒ワールドスペシャル(ぬる燗)
濃いめの黄色、僅かに濁りあり。
湯煎とは別にせいろで蒸して燗付けしてもらうことも出来たのでそちらをお願いした。どういう効果があるのかはわからない。ゆっくり温度を上げて冷めにくい燗をするためなのだろうか。その場で聞いとけばよかった(コミュ障)

香りは米と嫌味のないアルコール臭
舌先にじんわりとした酸味、ついで広がる甘味。口内で転がすと旨みが強い酒であることがわかる。
けっこう酸味甘味が後を引く。豪快な肴があいそう。

 

【桑原酒造】扶桑鶴 えんやブレンド2019ver.(熱燗ぐらい?)
立ち香は弱いがふくよか。
酸味旨み苦味のバランスがとても良い。後口は僅かに酸味が残る程度。
香り高い酒というのでもなく、強烈な印象はないが、すごく美味しい好みのお酒。限定なのがもったいないぐらい。